Vida Sana鍼灸体験会@つくばの古民家

 鍼灸を体験してみたい!という筑波大学建築・地域計画研究室関係者の皆様を対象に、素晴らしいつくば市内の古民家を会場にして、この8月末にVidaSana鍼灸体験会を開きました!

歴史的風情をもつ空間

 会場を提供いただいたのは、つくば市に明治28(1895)年に建築され、昭和期に改装されて現在に至る塚本邸「長屋門・全兵衛」。かつて地域の人が集った名主のお宅を、現代社会における新たなコミュニケーションの場にしていきたいというデザイナーである塚本さんの想いが空間に溢れています。

 Vida Sanaも鍼灸という日本の伝統医療を、現代人が元気に生きるためにもっと活用してほしい、という想いのもとに活動しています。

古民家×鍼灸!!最高の組み合わせではありませんか?

素敵なお宅の一角を使わせて頂きました!
鍼灸の道具

 今回の体験会は初めに「鍼灸とはどういうもの?」という講義を簡単に行って、たっぷり実技をするという段取りだったのですが、どうしても話が長くなるんです。ごめんなさい。それだけ、鍼灸について現代日本人が基礎知識を持っていない、ということでもあると思います。

 まずは、道具について。鍼とお灸に使うもぐさを実際に触ってもらいながら説明しました。

鍼灸院で施術を受けても、実際に鍼を手にする機会はほとんどないと思います。太い鍼(15番)と細い鍼(1番)の違いも感じてもらいました。

細い鍼(左)と太い鍼(右)

 そうすると、韓流ドラマ『馬医』で鍼灸シーンを観たという参加者から、日本と中国・朝鮮半島で使われている鍼の違いについて質問がでました。日本で鍼灸を学んだ立場から『馬医』をみると鍼の太さや刺し方の違いに衝撃を受ける、という話には参加者の皆さんも驚いた様子。

日本鍼灸は、鍼管をつかって極細の鍼を刺すという洗練化を世界に広めたのです。さらには、刺さない鍼(てい鍼・小児鍼など)にまで発展させてしまいました。ドイツや米国等では、日本語のままSHONISHINとして小児医療に関わる方々の間で実践が広がってきています。

 もぐさが道端にも生えているヨモギの葉の裏に生えている産毛のようなものからできている、ということも参加者から驚きの声があがりました。二千年も前から、私たちの身の周りにあるものを健康に役立て来た先人の知恵!素晴らしいですよね。

 そして話は経絡とツボ、東洋医学の考え方へ。昔の人はどう考えたの? ツボってどういうこと? 経絡って何? 参加者の方々からも様々な疑問・質問を投げかけていただき、東洋医学の奥深い宇宙の入り口まではご案内できたかもしれません。

 あれよあれよという間に時間は過ぎて、気づけばあっという間に1時間経過! 参加者の皆さんも鍼とお灸を実際に体験したくてウズウズしていた様子。「実技をやりましょう」の一声には「やったー!」と歓声が帰ってきました(笑)。

お灸体験
膝下に指4本分

 まずはお灸の体験をして頂くことに。今回使用したお灸は「せんねん灸の奇跡ソフト」。真ん中がもぐさを炭化した棒で出来ていて煙が出ないタイプの台座灸。お灸初心者の方やマンション住まいで煙が出せないという方にもオススメです。

置いていただくのは万能のツボ2穴!合谷と足三里です。合谷は手の甲、足三里は足のスネにあり、様々な症状を和らげるのに使われる万能のツボなんです。

 初めに足三里にお灸を置いてもらうことに。足三里は膝のお皿から指4本分下のところの外側で筋肉が一番盛り上がったところ。文章にするとややこしいんですが、写真にすると至ってシンプルな場所です。

 足三里は松尾芭蕉も灸をすえて長旅を乗り越えたという健脚のツボでもありますが、胃に関係するツボでもあります。胃腸の調子が整っていないと身体に栄養がいきわたりませんので、全身のエネルギーの流れに深く関わります。

人指し指と親指の間

 合谷は人差し指と親指の付け根の少し上ところ。人差し指の下の骨際の向けて押すとずーんと響くところがあるんですが意外とわかりにくいですかね。合谷は肩こりや歯の症状に効くと言われていますが、足三里と同様に全身の調整に関わるツボです。

 畳のお部屋で天井を見上げながらお腹にお灸をしていると寝息を立ててしまう人も(笑)

 お灸が気持ちいいと感じて頂けて嬉しい限りです。

 本当はふわふわのもぐさを米粒大のピラミッド状の大きさにちねって皮膚上で火をつける本格的な透熱灸も体験していただきたかったのですが、時間切れになっていまいました。

鍼体験も…

 今回参加頂いた方は皆さん肩こりをお持ちでしたので、実際に肩に刺さない鍼(VidaSana一押しのあれです!)と刺す鍼(細い鍼)、そして自分でもできるシール鍼を貼ってみました!

 ここでタイムオーバーでしたが、もっと鍼灸の魅力を体験してほしかったというのが本音です。これからもこの体験会をアップグレードし続けていきます!

 VidaSanaのビジョンは、鍼灸をつうじて日本とラテンアメリカをむすびつける活動をしながら、東洋医学を未来志向のヘルスケアのメインストリームにしていくこと。そのためには、そもそも足元の日本で鍼灸がしっかりと人々の生活に根付いていなければ話になりません。これからも多くの人に鍼灸の魅力を知っていただくためにVida Sanaは活動していきます!

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