Vida Sanaリトリート計画(2)

前回に引き続き、リトリート計画の一環としてVidaSanaが体験した富士山麓でのリトリート体験報告です。

≪マクロビオティックの食事≫

 マクロビオティックとは、桜沢如一らが主導して、食養生法として欧米で健康食ムーブメントを引き起こしたために、後に、逆輸入的に日本でも注目されるようになった独自の食に関わる哲学と言ったらよいでしょうか。VidaSanaが取り組んでいる東洋医学に基づく薬膳とも、目指すところが似ています。

 もともと日本の伝統的な食事に関わる思想(一物全体・身土不二・陰陽調和など)に端を発したムーブメントなので、似ているのは当然なのですが、欧米のセレブな有名人が実践している!といった情報がマスメディアなどで注目されたために、日本発祥ということを知らない人も少なくないのが現状のようです。

 いずれにせよ、健康意識の高い人をターゲットとしたレストランやお弁当などで、「マクロビオティック」という言葉を目にしたことがある人がほとんどでしょう。具体的には、玄米菜食を基本とした野菜・全粒穀類・海藻・天然塩の組み合わせによる食事を指します。

 夕ご飯と朝ご飯でマクロビオティックの食事を頂きました。Vida Sanaスタッフ20代男子は肉類を食べない食事というものを2食続けたのはいつ以来だっただろう、としみじみ考えたそうです(笑)。出汁にしても、カツオなどの動物性のものは一切使わない、そんな食事は厳格なベジタリアンでなかったら現代日本の生活では、まずありえません。

 玄米菜食を基本にしていると聞くと、「粗食」というイメージかもしれません。実際には、とても手のかかった贅沢なご飯だな、という印象です。少量でも満足感があります。食後に、お腹がすっとした気になり、身体が喜んでいるんだな、と感じました。

 おそらく、現代社会に生きるわたしたちが自分の身体を見つめなおすのに一番簡単にできることは、食べるものを変える事なのです。

 日本人の食生活の中で、動物性のものが入った食事を抜くことはもはや意識的にやらないとできません。リトリートに出向いて、自分の身体を見つめなおすのに、食事をガラッと変えると、視点が違ってきます。もっと極端な例では、ファスティングと呼ばれる断食によって、自分の身体への向き合い方を見直す体験をさせてくれるリトリート施設もあります。

 いずれにせよ、食べ物は私たちの身体をつくる根本。何を、どのように食べるか。それは、私たちの生き方そのものでもあるのです。

≪焚火を囲むカフェタイム≫

 一日目の夕食が終わったあとに、焚火を囲む時間を設けていただきました。夜の時間、富士山麓は10月にもなると冷えます。上着がないと身体が震えるくらいです。

 周囲に電気の光源がない環境で焚火を囲んで坐ると、熱源は真正面にしかないはずなのに、身体全体が温まりました。蒔をくべる山本先生は汗をかいていました。暖房がない時代、焚火で暖を取るだけでも十分に夜露をしのぐことができるということに納得がいきます。

 火は風に揺らされ、蒔が燃え落ちると、ぱちぱちと火の子があがる。焚火の揺らぎには人を癒す力がある。字面でみるだけでは伝わりにくいかと思います。あの火の温かさを感じながら、揺らぐ火を見つめるだけの時間を持てたということに幸せを感じます。

 VidaSanaでは焚火を眺める会の企画考案中です。ぜひ、つくばで、あなたの街で焚火をぼーっと眺めたいところです。

≪富士山とご来光≫

 私たちが訪れたときの日の出は、午前5時40分頃。日月倶楽部から見えるご来光は、午前6時10分頃。富士山の稜線から太陽が顔を見せる前に、あたりはすでに薄ら明るくなっていました。ダイヤモンド富士(日の出の瞬間が富士山のてっぺんにくる)の時期には、写真愛好家の車で大混雑するようですが、私たちが行った時は朝釣りの人の車があるだけでした。

 天気は快晴、1日目と違って、2日目はくっきりと富士山の形が見えました。

 ここに10度も訪れている方でも、こんなに朝はっきりと見えたのは初めてとおっしゃていました。自称晴れ女のVidaSana院長、「してやったり」というところです。

 その日の最低気温は18℃だったのですが、上着一枚では寒いくらい。震えて日が明けるのを待っていると、富士山の稜線にドラマチックな太陽光線が見えてきました。

2日目の朝の富士山

 隣にいた山本先生が日の出に向かって合掌をしていたので、思わずマネしました(笑)。実に手を合わせたくなる気持ちがわかります。日の光があたるだけで体感温度が1℃以上は違いました。昔の人は農作業をするのに、日の出前から外に出て、日が出てきたら手を合わせて、陽の光に感謝する。それが、実に自然な営みだと実感できました。

≪朝の森林浴散歩≫

 富士山からのご来光を見てから、富士山静養園のまわりを散歩させていただきました。富士山静養園は元々、マスの養殖場とワサビ田があった場所を宿泊施設にしたものです。つまり、素晴らしい湧き水が魅力のひとつ。富士山麓に百年前にふった雨が地中でろ過された湧き水ポイントにもご案内いただきました。柔らかく清らかな水です。

 朝の散歩コースは、先生が1人で歩いていると鹿やウサギと遭遇するそうです。野生動物の獣道と人間が歩く道が交錯します。

 山本先生はこの一帯の土地を購入するのに、地主との交渉の中で「一晩森の中で過ごしてみろ!」という条件を出されたそうです。暗闇の中、四方でガサゴソ音がして、赤い目がこちらをギロギロ睨んでくる。この森を買うということはこの生き物たちと暮らすことなんだと実感したそうです。先生が一晩を過ごしたポイントにもご案内いただきましたが、想像するだけでスリル満点でした。

≪アグリヒーリングー土をいじるということー≫

 山本先生は、実にエネルギッシュに様々なプロジェクトを思い付き、実行に移してこられた方です。現在進行形で進めているプロジェクトのひとつがYaoyaLabo。

 都会のサラリーマンが皇居のまわりをランニングする気分転換があるのなら、スーツのまま土いじりをするというヒーリングができないのか、というコンセプトで行われているこの実験。

前面ガラス張りで日光を取り入れた元別荘を再利用した建物の中は、プランターと鉢植えだけでじゃがいもやオレンジ、バナナなどが育てられているのです。信じられますか?富士山麓でバナナですよ?

 秋葉原の大通りに面した一棟のビルがコロナ禍で空いたままになっているのですが、元々カラオケ店だったこのビルの前面もガラス張り。その空間が野菜のプランターで埋め尽くされれば、どんなに人々の心を癒すだろうかと、妄想した次第です。

からだとこころを再生させるということ

 からだとこころを癒す/治すということを鍼灸で行う私たちにとって、2日間のリトリート体験は実に有意義でした。改めて鍼灸に固執することなく、さまざまな方法でひとりひとりが自分のからだとこころに向き合うきっかけを提供していけたら、どんなに素晴らしいか!

 VidaSanaは、そんな目標に向かって一歩一歩進んでいきたいと思います。

≪今回のフィールドワーク講座に関連する本≫

①『統合医療運営マニュアル』(山本竜隆著、現代企画)

②『癒す心、治る力』(アンドルー・ワイル著、角川文庫ソフィア)

③『自然欠乏症候群―体と心のその「つらさ」、自然不足が原因です』(山本竜隆著、ワニブックスPLUS新書)

日月倶楽部

URL: https://hitsuki-club.com/

富士山静養園

URL: https://www.mt.fuji-seiyoen.com/

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