小児はりって知ってますか?

 

皆さんは「小児はり」をご存じでしょうか?

子どもに鍼なんて大丈夫なの?と思われるかもしれません。一般に、はり治療=痛い・怖いというイメージがありますが、「小児はり」は痛くも怖くもありません。なぜなら「はり」とは言いながら体内に刺さないからです。

小児はりについて

 「小児はり」は江戸時代から関西を中心に行われ、現在でも子どもを対象にした「疳(かん)の虫」の治療に広く用いられています。関西では、「こども虫はり」「小児はり」「小ばり」「小児鍼(針)」と呼ばれ、 大人を対象にした鍼灸治療と一緒に「小児はり」を行うことを標ぼうしている治療院が多くあります。関西地方に住まわれた経験のある方なら、看板を見たり、話を聞いた経験があるかもしれませんね。

「小児はり」の道具は多様です。イチョウの形をしたハリ、バネ式のハリ、ローラーの形をしたハリなどがあります。子どもの柔らかい皮膚にアプローチするので「触り心地が優しいハリ」を使います。(↓の写真のものを使います)

 施術は、そのハリで皮膚に「当てる」「擦る」「トントンとタップする」ことにより、身体に変化を起こします。

 Vida Sanaの施術を受けたことのある方であれば、いつも使われている「てい鍼」と一緒では?と思われるでしょう。実際、小児はりの対象年齢は、0~12歳あたりですが、大人でも刺すハリに抵抗がある方は刺さないハリで治療を受ける方もいらっしゃいます。

 「小児はり」とてい鍼による施術で大きく違うのは施術時間です。「小児はり」は一回5分以内くらいで終了ですが、てい鍼はゆっくりと時間をかけて大人の身体を緩めていきます。

 小児の身体はとても敏感です。5分くらいの治療でも、治療したところが赤くなったり、軽く汗が現れたり、うぶ毛の毛並みが変わったりします。これが自律神経のバランス改善、免疫力の増強、ホルモン調整作用、血行改善などの効果とつながっている身体の変化です。からだとこころの機能調整に重要な役割を果たし、子どもの健康面でいえば、「よく寝られる」「よく食べられる」「ちゃんとうんちが出る」などの変化がみられるようになり、心を落ちつかせる効果が現れるとされています。

体験会で「小児はり」やってみました!

 さて、なぜ今回「小児はり」を取り上げたかといいますと、8月末に行った鍼灸体験会の第2弾として、10月末に「小児はり」を用いた鍼灸体験会を行ったからなんです!(長い前フリになりましたね)

 「小児はり」を体験して頂いたお子さんは2名でしたが、おふたりとも「気持ちがいい」「もっとやりたい」との感想を頂けました。

 「小児はり」は(通常の鍼灸もそうですが)一度で気になる症状がなくなる!というような謳い文句はしません。短い時間の治療で、数を重ねて、変化を重ねて、徐々に変わっていくものです。関西の治療院では、毎日子どもを連れていって治療することを標準にしているケースもあるそうです。場合によってはご両親にもご自宅で「小児はり」の代わりにマッサージや撫でるというようなスキンタッチをしてもらう指導を行います。

 「小児はり」によって変化するのは子どもの身体ですが、実は子どもの身体が変化するということは、親子関係にも変化を起こしているのだと思っています。

 子供が毎晩夜泣きしていたのが週2~3回になった、おもちゃを買ってもらえなかったらすぐにダダをこねていたのが少し我慢できるようになった、というように子どもが変化することで、親の心境にも変化が出ます。親の心もちが変われば、子どもへの接し方にも余裕が生まれ、それは子どもに大きな影響を及ぼします。

 人間関係はそのような相互作用がめぐりめぐるサイクルです。「小児はり」をきっかけにして、親御さんがお子さんへの接し方を見直してみたら、お子さんのからだとこころに変化がもたらされるかもしれません。

 そして、実は、大人の治療でも同じようなことが言えるかもしれません。鍼灸治療は、それまでの自分の人生を「健康」から考え直すきっかけだと思っています。

 「小児はり」もまたVida Sanaの今後さらに取り組んでいく課題のひとつです!

 おかげさまでVida Sanaを運営し始めて半年が過ぎました。この間、どんどんやりたいことが増え、ブログのネタに困ることもありません。なんだか、毎月別の事を記事にしておりますが、一貫しているのはただひとつ。Vida Sanaは、みなさまが健やかであれるようにお手伝いしていきます! 健やかなくらしと人生を!!

一時の秋が来ましたね。

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