春薬膳―もうすぐ春ですね!ちょっと気取って、薬膳でもしてみませんか?

 というわけで今月のブログは「春の薬膳」です。
 先月よりもグッと温かくなってきましたね。桜もチラホラ咲き始め、春が来ていることを実感します。なんだかウキウキしてきますよね?

しかし、花粉症の人にとってはちょっと憂鬱な季節でもあります。実は私も花粉症歴20年以上のベテランです。皆さんは目や鼻がグズグズしていませんか?

 花粉症の症状としては、目が痒くなったり鼻水が垂れてきたりしますね。西洋医学的な見方では、唯物論的に花粉が目や鼻に入ってアレルギー症状を引き起こすのが原因とされています。でも、花粉は年中飛んでいるのに、なぜ春の花粉症がこんなに世の中で大騒ぎされるのでしょうか。

 実は、東洋医学的視点に立つと春と花粉症の関係がすっきりと説明できるのです。
 東洋医学では、春は陰から陽への転換期です。寒い季節は冷たい空気が下に沈みますが、温かくなると空気が上昇しますね。身体の中にも空気や水は存在しますから、春になると下半身に沈んでいたものが、頭の方へ上昇してきます。
 こうした季節の変わり目に身体の中の循環がうまく行かないと、身体の上の方に熱気が集まって痒みや充血を起こします。目がかゆくなったり腫れたり、鼻水が出たり詰まったりと身体の上の方に症状がでるのは、そういうメカニズムとして理解できます。
 年によって花粉症の症状が重かったり軽かったりするのは、自分の身体の巡りがいいかどうか次第ということもできるでしょう。体調が整っていると、花粉症を持っていても症状が軽くなる、ということがあるのも理解できますよね。

 では、春に身体の巡りをよくする食材は何でしょうか。
ほてりやすい身体には、血を補うことによって身体を潤すという方策があります。血を補う食材には、にんじん、イカ、タコ、ほうれん草、豚レバーなどがあります。どれも日常の食卓に取り入れやすい食材ですね。
 また、春は花粉のような外からの刺激を身体から排出する役割の食材=解表類を使うのもオススメです。解表類にはネギ、生姜、パクチー、ミョウガ、ミントなど少し辛味と香りの強いものが属します。補血類の食材にパンチを加えるにはうってつけですね。

 さて、そんな花粉対策と春に補った方がいい食材を組み込んだ春の薬膳をご紹介していきましょう。

お肌を潤す豚肉の煮込み(ほうれん草のごまあえ添え)

【材料】(2人分)

豚モモ肉塊、ニンジン、干しブドウ、日本酒、長葱、塩、ほうれん草、白 ごま、醤油

【作り方】

(1)豚モモ肉の塊を適当な大きさに切る。

(2)葱は 5cmほどに切る。ニンジンは 3 ㎝くらいの乱切りにする。

(3)土鍋で、豚肉、ニンジン、葱、干しブドウを日本酒と水で煮込む。豚肉が柔らかくなるまでじっくりと煮込んだら、塩で味を整える。

 (4)ほうれん草をゆでて水切りしたら、醤油と白ごまであえる。

 (5)豚肉の煮込みにほうれん草の胡麻和えを添えて盛り付けて出来上がり。

花粉を流す豚肉ジンジャーあんかけ

【材料】(2人分)

にんじん60g、小松菜60g、豚肉60g、生姜少々、片栗粉・塩・水適量

【作り方】

(1)にんじんは千切り、小松菜と豚肉は一口サイズに切り、生姜はみじん切りにする。

(2)豚肉とにんじん、生姜を炒める。

(3)豚肉に火が通ったら、小松菜を入れ、塩で味付けする。

(4)水でといた片栗粉をとろみがつくまで入れて完成。

 春の薬膳としては、香辛料やハーブなどをアレンジの中に取り入れることは特にオススメです。これでお料理のレベルがグッと上がりますので、ぜひお試しください!

春はあけぼの。少し早起きして朝日を浴びながら散歩など始めてみるのもいいかもしれません。

 では、引き続き皆様が健やかに過ごせますように!

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