【Perú日誌】③まさかのPerúで日本鍼灸体験会〈JICA潜入篇〉

 今回のテーマは「Perúで働く日本人にも鍼灸を知ってもらう」です。

 VidaSanaは一貫して日本伝統鍼灸をラテンアメリカに広げることをミッションのひとつに掲げています。

 そのためには現地の方々へのアプローチも不可欠ですが、ペルーで働く日本人にも知っていただければ、今後の活動がよりスムーズになるはず。

 というわけで、今回はペルーで働く日本の方々を施術した様子などを書ける範囲でお伝えします。

 今回はVida Sana、なんとJICAペルー事務所で職員の方々に日本伝統鍼灸についてお伝えする機会をいただきました。

 Vida Sana、JICA事務所潜入です……

JICAペルー事務所潜入……

 お仕事が忙しいなか、所長さま、次長さまに日本伝統鍼灸のプレゼンをさせていただきました。

 実は、もう公式に発表されていますが、当時はJICA事務所のお引越し作業真っ最中。インターネット回線をどうするか、机や物品の移動が…と大忙しの中、お時間を割いていただいたことには感謝しかありません。

 そんなタイミングだったことも功を奏し(?!)、所長・次長ともに東洋医学の身体を癒す力に関心を示していただきました。そこで、いつものようにChikakoがその場で軽く「てい鍼」施術を行うと、目に、腰に、肩にと不調のポイントがポンポン出てきました。本当にお仕事お疲れ様です……。

 その日はそこで時間切れ。別日にガッツリ施術のご希望をいただきました!

 ということで、興味を持たれた所長・次長・職員の方とご家族、計5名にVida Sanaの施術を受けてもらうことになりました。

なかには鍼灸を受けるのが初めての方が多く、なんとPerúで鍼灸初体験となりました!

各々施術を受けて、以下のような感想をいただきました。

「とてもスッキリした!」

「人に施術してもらうって気持ちいい!」

海外生活のお疲れを鍼灸で少しでも癒していただけたようで嬉しかったです。そして、今後のペルー生活でどのようにセルフケアするべきか、アドバイスもさせていただきました。東洋医学は養生により病気を予防することを第一におすすめします!

 施術をする中で感じたのは、皆さん共通して湿気が身体を蝕んでいるということでした。

 VidaSanaがPerúを訪れたのは、11月の終わりから12月初頭。日本でいえば初夏の季節。冬が終わり、春がきて、夏間近といった様子でした。

 日本では湿気といえば、梅雨の季節ですが、ペルーの特に首都リマでは、年中湿気にあふれています。太平洋岸を寒流のフンボルト海流が北上して、赤道に近い緯度でありながら、海岸部から急峻なアンデス山脈に阻まれて雲が滞留します。すっきりと晴れる日は珍しく、洗濯物も日本のようにすっきり乾くのには時間がかかります。むしろ部屋のベッドシーツなどは何もしなくてもしっとりしてきます。

リマ上空には常に雲が掛かっています。

 そんな湿度が冬も続きます。日本の太平洋側の冬は乾燥との戦いで、ひび割れあかぎれに悩まされますが、リマではそんなことはありません。湿気のある冬は、身体を芯から冷やします。お灸の出番です(笑)。

 現地の方は、もはやその気候に適応してしまっているので、湿気に関連する症状はあまり見受けられなかったのですが、日本出身の職員で、リマの冬を越して働いた方は、腹から足から頭まで、とにかく水分代謝に関係するツボに反応があり、湿気に身体をむしばまれている様子がみてとれました。

 湿気・水が身体をむしばむとはどういうことでしょうか。一般的な症状には次のようなものがあります。足がむくむ、身体全体が冷える、もしくは身体の一部が変に熱する、下痢を起こす、頻尿、頭痛、肩こり、婦人科系の不調など。何が原因なのかわかりにくいうえに、すっきりと治りにくい症状が多岐に渡って出てきます。

 不調はあっても、病院の検査では何も出てこない。そのため薬を出してもらっても対処療法的なものになりがち。湿気の病はやっかいです。

 そしてなによりやっかいなのは、湿気の対策がこれといってないことです。環境適応ほど難しいことはありません。

 できることといえば、水分代謝をより進行させることくらいです。運動やサウナで汗をかくか、セルフリンパマッサージで身体の水分循環をよくするか。本当に湿気はやっかいです。

 そこで出番なのが、お灸です!水分代謝を促すツボにセルフケアで使うことのできる台座灸をできれば毎日!具体的なツボ名でいえば、復溜、水泉、陰陵泉など、それぞれの方の体質にあわせたツボをおすすめしました。

 しかし、そうはいってもリマの年間平均気温は20℃。夏でも最高気温は30℃程度で、冬でも最低気温は15℃程度です。日本と違って寒暖差も少なく、過ごしやすいことは間違いありません。

 日本に帰ってきて、からっ風が身体に染み入るような寒さに見舞われると、どっと疲れるのを感じます。つい3か月前まで40℃近い気温だったのに、既に氷点下とは。この寒暖の差、嘘のようですよね。

 ただ、印象的だったことがあります。それは、現地で働く日本人の方々は、環境の違いに加えて、お仕事のハードさもあり、身体はお疲れのようでしたが、なんだか気持ちは元気そうだな、ということです。それぞれの方が違う要因によって、そのようにお見受けしたのだとは思いますが、おそらくPerúという環境が、日本人にとって過ごしやすい!ということなのでしょう。日本人が過ごしやすいと感じる要因として共通のものといえば、まずは豊かな食事!そして、美味しい食べ物によってもたらされるのが健康なこころ!

 今回、飛行機の乗り継ぎで、New Yorkにて12時間ほど過ごすことになり、地下鉄でマンハッタンまで観光に赴きました。

 その地下鉄で居合わせた人々の顔がものすごく殺伐としており、少し恐怖心を抱くほどでした。

 しかし、Perúにつくと対照的に皆が笑顔で接してくれ、心の健康さをまじまじと比較して感じました。

 そして、現地人だけではなく、Perúで働く日本人からも気持ちがすこやかであると感じられるということは、やはりPerúの環境が人の心を豊かにしているのだと、思わざるを得ません。

 さて、日本に帰ってきて、東京の街の中を歩くと、どうでしょうか。

 あれ? みんな顔が殺伐としている。これNew Yorkに似てるかも?と感じました。

 日本が目標とするべきなのは、どちらなのか?

笑顔がいっぱいの国なのか、殺伐とした経済大国なのか。

どちらの国で暮らすのが幸せなのか。

 今回のブログは、Perúで働く日本人に鍼灸を知ってもらうというテーマで書いてきましたが、実は教えてもらったのはこちらでした。人が生き、仕事をすれば身体が疲れるというのは世界共通の理。しかし、こころの健康を保つのに大事なことは、気持ちに余裕を持つこと。

 そうはいっても、一朝一夕に日本の状況を変えるのは難しい。

 だからこそ、みんなでPerúに行こう! とオススメしたいのです 

 そして、JICAは青年・シニア海外協力隊員を募集しております。

 こころの健康は自分の居場所次第です。

 さあ、あなたも、外国で働いてみませんか?(今度は「勝手に協力隊大使」か(笑)?)

JICA海外協力隊HP

 …大学生に教えていたときにも、どんどん外国にとびたて!と留学をすすめていましたが、外国に出ることは学生時代だけの特権ではありません。

真面目な話、日本人にはもっともっとPerúに行ってほしいと心から思っています。

あるPerú駐在員の奥様は、別の国に赴任していたときは「次はいつ日本に帰れるの?」とよく言っていたそうですが、Perúでは全然日本に帰りたいと思わないとおっしゃっていました(笑)。

VidaSanaスタッフのDaisukeも、人々のこころの豊かさと食べ物の美味しさ、環境の素晴らしさで、Perúの虜になりました(笑)。

Chikakoはこれからも日本とPerúを繋ぐ架け橋でありたいと思います。

 最後に今回忙しい中、VidaSanaの施術を受けていただいたJICAの皆さまに、この場を用いて心より感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。

 皆さまのからだとこころがすこやかであることを心からお祈りしております。

教会にてお祈りを捧げたChikako

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