今回はフェリップ先生の日本伝統鍼灸学会初登壇!のご報告です。
実際の日本伝統鍼灸学会登壇時の写真は、公式には撮影禁止およびネットにアップNGですので、今回のブログに載せることはできません。ですから、会場内外の様子を文章でお伝えできればと思います。また、登壇したとき以外の写真はドンドン紹介します!
というわけで、フェリップ先生も緊張の初登壇!
第52回日本伝統鍼灸学会は東京・タワーホテル船堀にて10月24日・25日に開催されました。1日目は講演等の終了後に懇親会があり、フェリップ先生の登壇は2日目の午後でした。
1日目は写真祭りです。あちらの先生、こちらの先生、みんなフェリップ先生と写真を撮りたがる。フェリップ先生も諸先生たちと写真を撮りたがる。エールの交換のような写真撮影会が展開されました。
実は、フェリップ先生が日本伝統鍼灸学会で登壇することになったのには、このブログでも紹介いたしました宮川浩也先生が関わっております。
去年のKINSEIKYU®セミナー後の懇親会にて、フェリップ先生と宮川先生は意気投合!日本スタイルのお灸を世界に広めるフェリップ先生の活躍ぶりをぜひ学会員の皆様に紹介しよう、という流れになりました。講演では宮川先生に座長も務めていただきました。
宮川先生も講演の冒頭としめくくりでフェリップ先生とのご縁を聴衆の皆様に披露していたのですが、お二人には不思議なつながりがあるようなのです。
まずは、昨年の夏に初めて出会った際に、既にフェリップ先生は宮川先生と前に出会ったことがあると感じたのだそうです。いつの時代のどこで会ったのかは定かではないそうですが、とにかく、「前に会っていますね」となったのです(!?)。
その何か月か後、フェリップ先生が師事していた福島哲也先生(故人)がフェリップ先生の夢に出てこられて、以下のようにおっしゃったそうです。
「これからは宮川先生のいうことを聞いてやっていきなさい」(!?)。
ということで、宮川先生はフェリップ先生のためになら「ひと肌脱ぎましょう」となるわけですね(!?)。そして、講演前にこんなお土産を持ってきてくださいました!
墨田区向島の志満ん草餅(じまんくさもち)という有名なお店の草餅。皆さん、ご存知のように、草餅の材料であるヨモギは、お灸の材料。お灸と草餅は、ヨモギつながりなんです。
草餅は生菓子ですから日持ちがしないので、宮川先生は講演当日に草餅屋さんに寄ってから、会場の船堀まで持ってきてくださったんですよ!
東川口→向島→船堀という大変なルートの移動を、ものともしない宮川先生のサービス精神にフェリップ先生も感無量。この表情です。
この草餅のおかげで、緊張も和らぎ、落ち着いた様子で壇上に向かいました。
ここからはフェリップ先生の真骨頂。お灸の炎が燃えだします。
講演のタイトルはこうでした。
「世界に広がる深谷灸」
なぜ自分が灸法に目覚めたのか、どのような経緯で世界に日本式のお灸を広める活動をすることになったのか、21世紀のお灸のあり方はどうあるべきか。現代に生きる私たちは伝統をどのように未来につなげることができるのか。お灸に対する思いの丈を語りました。
日本の鍼灸師自身がお灸という伝統医療の素晴らしさを新しい時代にあわせてバージョンアップしていく必要がある!という激励でもありました。
講演の最期に宮川先生もおっしゃっていましたが、本来なら日本の伝統医療を世界に広めるのは日本の鍼灸師の使命であるはずなのに、フェリップ先生がこのような形で世界に日本式お灸を広める活動をしてくださっていることに対して、私たちは心から感謝の気持ちを捧げたいと思います。
そして、講演はこの言葉で締めくくられました。
「お灸の炎はあなたを変える。そして、世界も……」
会場にいる人たちにフェリップ先生の魂の炎が燃え移るのを体感した、そんな素晴らしい講演でした。日本伝統鍼灸に関わる人間が、どのように日本文化に向かい合い、それを世界の人々に伝えていくべきなのか。今こそ、お灸という伝統医療が持つ「他者に健康を与える」という価値を再評価して、人類の未来のために動くべき!という熱いメッセージです。
……えっ?そんなに簡単にお灸熱は高まるもの?
そうおっしゃりたい方々には、断固宣言しましょう。
フェリップ先生の魂の炎は断然、燃え移りやすい!
実は、この10月ブログでも発信させていただきましたが、日本伝統鍼灸学会での講演会場で、その3日後の10月31日開催のセミナーの告知を解禁しました。
学会が終わった時点で、日本での事前に予定していたKINSEIKYU®セミナー定員はすべて満員。しかし、学会での講演を聴いたら、「絶対セミナーを受けたい!」と思う方がいらっしゃるはず。そこで、急遽でしたが、Vida Sanaがフェリップ先生のセミナーを主催することに決めました。
フェリップ先生の滞日中の予定もあって、緊急セミナーを開催できるのは、ド平日の夜しかありませんでした。通常、大体の鍼灸セミナー料金は5,000円程度で、土日に開催。緊急セミナーの受講料は15,000円で、たったの3日前に情報解禁。…しかも応募フォームに問題ありで初動の勢いが潰れた状態でした。
まわりの先生方には、「これで本当にセミナー参加者は集まるの?」と心配されました。たしかに、普通の鍼灸セミナーなら集まらないでしょう。普通ならね。
しかし!フェリップ先生から伝わったお灸の炎は止まることを知らないのです。
緊急セミナーには鍼灸師のみならず医療関係のプロフェッショナルが集まり、フェリップ先生の話を食い入るように聞き、実技指導も嬉々として受けていただきました。
セミナー参加者から後日、セミナーで学習したことを実践して効果を実感しているという嬉しいご報告もいただきました。フェリップ先生によると、お灸は、身体/メンタル/エモーショナル/スピリチュアルな次元に働きかけることができる素晴らしい手法なのです!
1948年に発効したWHO憲章では、「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること」とされています。そして、その後に加盟国間の議論で「肉体的/精神的/社会的」に加えて「スピリチュアル」にも満たされていることが重要だという指摘がされているのです。
日本語で「スピリチュアル」というと、怪しげな宗教関係?!と思う方が多数派かもしれませんので、この機会に認識を改めていただけると嬉しいです。上記の「メンタル/エモーショナル/スピリチュアル」の次元は、通常、日本語では「精神的」という一言でまとめられてしまっています。しかし、特に終末期の緩和ケアにおいては、「スピリチュアル」に満たされることの重要さを実感している医療関係者は決して少数派ではありません。
メンタルやエモーショナルな問題に対しては、現代医療現場ではカウンセリングや薬物投与による苦痛の緩和が行われることが常態化しています。しかし、スピリチュアルな問題は、こうした次元で対応できるものではないと考えられています。日本語に正確に翻訳するのは大変難しいのですが、「生きる意味や価値に関わる実存的な問題」とでも言ったらよいでしょうか。単に「生きがい」という方もいらっしゃいます。私たちはなぜ生まれて死んでいくのか。そんな根源的な疑問に対するひとりひとりの向き合い方に関わる問題です。
お灸は、身体に艾を置いて火をつけるという働きかけですが、そのことによって働きかけられているのは、単に物質としての肉体なのではなく、こころとからだが一体となっている総体としての人間なのです。
あなたにも、伝わっているでしょうか?
お灸の炎が……。
さて次回は、今回の滞日中の最終セミナー報告。フェリップ先生のホームグラウンド、神田・三景セミナーです。
↓↓↓↓実は、の写真↓↓↓↓
伝統鍼灸学会終了後、筑波山山中にある旧小林邸ひとときさん(民泊施設・レンタルスペース)に向かって、宮川先生、フェリップ先生、神田三景の店主榎本さん、Vida Sanaの2人で出発!素敵な古民家での一晩を過ごしました!翌日には、とある茨城県にお住まいの鍼灸師の先生にお会いする途上ということで、筑波山での宿泊となりました。
残念ながら、宮川先生はノンアルコール派ですので、呑み助たちで祝杯をあげました。
そして、翌日には宮川先生の治療院にも寄らせていただきました!
宮川先生からはこの導引図と扁鵲図のプレゼントをいただきました。
そして、
フェリップ先生には特別に宮川先生保管の30年もの艾と銀の艾ケースも!
宮川先生太っ腹!!