陽気が増してきましたー春のつくいちー

 皆さま、こんにちは。

 花粉もピークアウトした今日この頃いかがお過ごしでしょうか。陽気がよくなると植物の芽がでるように(!?)街が人でにぎわっていますね。しかし、実は春は要注意の体調を崩しやすい季節ということは、このブログでも何度かお伝えしました。

 そこで、今回は春のしんどい身体に寄り添うオススメツボをご紹介!
この記事は、つくば鍼灸マッサージ師会のニュースレターでも発表しました。
そう、「太衝」です!

太衝(足の甲です)

◆なぜ春に「太衝」が効くのか?
 東洋医学では、春は「肝(かん)」の働きが活発になる季節と考えられています。この「肝」は、自律神経のコントロールや情緒の安定、血流の調節を司っています。
 しかし、春特有の激しい寒暖差や、入学・就職といった環境の変化によるストレスは、「肝」の働きを乱す原因になります。その結果、イライラや気分の落ち込み、目の疲れ、不眠、さらには筋肉の引きつりや頭痛といった不調が現れやすくなるのです。
そこで出番となるのが、足の甲にある太衝です。このツボは「肝の通り道(肝経)」の要所であり、滞った「気」をスムーズに流して、高ぶった神経を鎮めるスイッチのような役割を果たします。

◆太衝の見つけ方とセルフケア
【場所】 足の甲にあります。足の親指と人差し指の骨が交わる(合流する)手前の、少し凹んでいる部分です。
【押し方】 親指や人差し指の腹を使い、足首の方向に向かって痛気持ちいい強さでゆっくりと押し込みます。3〜5秒押して、ゆっくり離す動作を数回繰り返しましょう。
 お風呂上がりや、寝る前のリラックスタイムに太衝を刺激することで、一日の緊張が解け、深い眠りにつきやすくなります。
「なんだか最近、体が重だるい」「理由もなくソワソワする」と感じたら、ぜひご自身の足元にあるこのツボを優しくケアしてあげてください。春の揺らぎやすい心身を、内側から整えていきましょう。

 さて、前置きが長くなりましたが、恒例の春のまつりつくいち報告です。季節を前倒しにしたような陽気に恵まれ、多くの人でにぎわっておりました。

 今回は春の暑気払いとしてほうろく灸も実施!

 以前のブログ(なんと本ブログの第二回目でした!)でもお伝えしていますが、ほうろく灸は暑さにやられてのぼせやすい季節(多くは夏至にあわせて)に「夏バテ防止」などの養生として主に寺院で行われていた灸法です。
 頭のてっぺんにある「百会」というツボに、ほうろくという素焼きのお皿に艾をのせてお灸をします。百会は自律神経に働きかけることによって、さまざまな不調にアプローチすることができる万能ツボとして知られています。

 その背後には古典的東洋思想があります。そう、陰陽理論です。
心身の陰陽のバランスを整えることによって体調も整うという考え方になります。百会は身体の最上部にあるために陽の頂点にあたります。そして、お灸は火の力という陽の要素を持ちます。陽×陽で陽を極限まで高めることによって、陰に転じさせるという理論なのです。

 ちょっと分かりにくいかもしれませんね。図にするとイメージが湧くかもしれません。陰陽理論は、太極図に表現されています。私たちを取り巻く世界の原理が太極図なのです。

太極図

 図を見てください。白の中に黒があって、黒の中に白があって、黒と白がお互いを包んでいながら包まれてもいますよね。「白黒つける」という言い方がありますが、世の中に全くの白も黒もない。実は、どちらかを白というから、残りは黒になる。白の部分と黒の部分は、絶えずお互いに参照しあいながら決定される関係性として理解されなければならないのです。白黒は相互に補いあって、ひとつの宇宙を構成しているのです。

 というような世界の理をまとめた中国の古典が『易経』です。しかし、このテキストは本当に難物で、素人は本当に読みこなすことが難しい。現代日本人にも岩波文庫で読めることになっていますが、読んだところで「わかる~」とはならないのが普通です。

 しかし、上記のフレーズを読んで、ピンときた方! そうです!

「なんだ、量子もつれ(Quantum entanglement)のことか」

 2022年度のノーベル物理学賞は、量子もつれの検証実験をした研究者3名が受賞しています。この研究成果は、実社会においてどんな応用ができるのかということでは、量子コンピュータの開発などが期待されるということで話題になったのですが、覚えているでしょうか?

 ごく簡単に量子もつれを解説します。かたちあるものが物理的に最小単位まで分解されると量子になるとしますね。その量子の粒2つの間に強い関連性がある(=もつれがある)場合、粒子同士をどんなに遠くに持っていったとしても、1つの粒子の状態を測定すると、瞬時にもう一つの粒子の状態が決まる現象のことなのです。ほら、太極図の説明と同じになったでしょう?

 でも、どちらにしても何を言っているのか分からないというあなた。そうですよね~。無理はありません。かの有名な物理学者のアインシュタインも、量子もつれが起こることを説明できないとして「不気味な遠隔作用」と呼んでいたんです。

 逆に言えば、これが実験で検証されたのは革命的なんですよね。だから、ノーベル物理学賞なんです。

 そして、なんと量子もつれをイメージとして観察することに成功したという研究成果(2023年)をご覧ください!(注:ちゃんとした科学論文ですよ)

量子もつれのイメージ(リンクより)

 あ~ら、びっくり! 太極図ではないですか!

 現代物理学の最先端と東洋思想がパラレルワールドであることは、オカルトでもなんでもない。シンプルに世界の根本原理を追求したところとして共通しているということ。
 疑い深い方のために、参考文献をつけておきますね。ノーベル賞受賞者による量子力学の解説です。

 さて、良く分からない現代物理学理論の話まで出てきて頭がパンパンになったという方も「ほうろく灸」は受けてみる価値があると思いませんか?お灸の熱さが陶器のお皿を伝わり、ツーンとした、ズーンとした熱感が頭のてっぺんから伝わって、終わると意識がスッキリー! という感じ。陽が極まれば陰となるんです。

 意外にもみなさんの近隣のお寺でも実施されていることがあります。ぜひ探してみてください。夏の初めの養生としておすすめです!

 陽気がいい季節、皆さまが健やかにさまざまな場所へ赴けますように。

【参考文献】
アントン・ツァイリンガー『世界一わかりやすい量子力学』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2025年)

次回は秋のつくいちに出店予定!
みなさまのご来場お待ちしております!

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