皆さま、こんにちは。
春もあっという間に過ぎていき、夏が目前に迫ってきておりますが、みなさま体調を崩さずにお過ごしでしょうか。
爽やかな陽気が心地いい日は、VidaSanaは外でご飯を食べるのがお気に入りの過ごし方です。最近の青空ランチはこちら!

VidaSanaの拠点は「パンの街つくば」!

実はつくば市は、知る人ぞ知るパン屋の激戦区。なぜこれほどパン文化が根付いたかというと、筑波研究学園都市という土地柄、世界中から多くの外国人研究者や留学生が集まってきた歴史があります。彼らの多くはパンが主食。そのため、日常の食事に合う本格的なヨーロッパスタイルのパン(ハード系など)が求められました。

さらに、つくば市には「農研機構」があります。そこでは、日本中で使われる農作物の品種改良がされているのですが、日本の環境に合わせた小麦の開発が行われました。従来の国産小麦はうどん用(中力粉)が主流で、パン用(強力粉)には適していませんでした。薄力粉、中力粉、強力粉の違いはタンパク質(グルテンを形成するもの)の含有量にあり、強力粉になるほどタンパク質が多く含まれます。実は雨が多く温暖湿潤な日本の気候は、本来、強力粉用の小麦づくりには向いていないんです。
しかし農研機構の長年の努力により、日本でも栽培することができる画期的な国産強力小麦「ユメシホウ」などが誕生したのです。気候変動に負けない強靭な小麦の開発は今も続けられており、地域の素晴らしいパン作りの土台を支えています。

VidaSanaが普段から大変お世話になっているのは、主に「david pain」「ベッカライ・ブロートツァイト」「薪窯パン工房めぐもり」。もちろん、他にも「クーロンヌ」や「アンキュイ」など、クロワッサン生地の美しいパンや、まるでケーキのような菓子パン、タルティーヌ、総菜パンなど、お勧めしたいお店ばかりで語り尽くせません!

しかし、ちょっと待てよ。いつもVida Sanaのブログを読まれているのは健康意識の高い方が多いとお見受けします。であれば、昨今は「パンをそんなに食べて大丈夫?」と疑問を持たれた方もいらっしゃるかもしれませんね。
なにせ現代は大グルテンフリー時代。テニスのジョコビッチ選手がグルテンフリーでパフォーマンスを上げたことを皮切りに、最近では大谷翔平選手も実践を公言するなど、小麦を目の敵にする風潮があります。確かに、小麦のグルテンが腸の粘膜に微小な穴を開けてしまう「リーキーガット症候群」の要因になることは広く知られるようになりました。
また欧米では、グルテンに対する過剰な免疫反応から小腸に激しい炎症を起こしてしまう「セリアック病」という自己免疫疾患の患者数が、過去50年で約4倍に増えたというデータもあります。これらが発端となり、世界的なグルテンフリー大ブームが巻き起こりました。

しかし、「小麦=悪者」と一括りにして思考停止してしまうのは非常にもったいないことです。そもそも、長きにわたって人類が主食にしてきたものがただの悪者であるわけがない。では、現代においてグルテンが問題視されるようになったのは何故か。
背景には、主に3つの要因があると言われています。
① 品種改良された現代小麦と「古代小麦」の違い
私たちがスーパーなどで手にする現代の小麦は、大量生産や機械での加工がしやすく、ふっくら膨らむように強固なグルテン構造(Dゲノム由来)が選択的に強化されています。これが人間の消化器のキャパシティを超え、アレルギーや不調を招く原因になっています。
一方、数千年前から姿を変えずに受け継がれてきた「古代小麦」があります。代表的なものとしては、最古の祖先である「エンコーン小麦(ヒトツブコムギ)」、イタリア料理でも馴染みのある「エンマー小麦(フタツブコムギ)」、そしてパン用として広く認知されている「スペルト小麦(ディンケル粉)」などがあります。
これらは現代小麦に比べてグルテンの構造が非常にシンプルで壊れやすく、人間の消化酵素で分解しやすく、胃腸への負担が極めて少ないという大きな特徴があります。
そのかわり、古代小麦は「生地がまとまりにくく、だれやすい」ため、パンにするのが非常に難しいのがネックです。現代の強力粉のように機械でガシガシ捏ねると、繊細なグルテンの網目がすぐに壊れてドロドロになってしまいます。水の吸い方も微妙で、職人の高い技術と経験が試されます。
例えば、「薪窯パン工房めぐもり」さんの古代スペルト小麦を使ったパンは、仕込みから焼き上げまでなんと3日もの時間を要するそうです。職人さんの技術と愛情の結晶ですね。 古代小麦自体が市場にそれほど出回っているわけもなく、作る際の技術と手間がかかる代物が古代スペルト小麦を使ったパンなのです。もはや見つけたら即買いレベルの逸品といってもいいでしょう。

② 食品内に含まれる加工小麦(隠れグルテン)の過剰摂取
見落とされがちなのが、現代人が「パン以外」から摂取している小麦の量です。現代の加工食品には、増粘剤、とろみ付けのソース、加工肉のつなぎ、お菓子など、あらゆる場所に「加工された状態のグルテン」が使われています。私たちは知らないうちに、胃腸が処理しきれないほどの「隠れグルテン」を過剰摂取しており、これが現代人のキャパシティオーバーを招いている可能性があるのです。
③ 「急速発酵(ドライイースト使用)」への移行
現在市場に出回っているパンの大半は、ドライイーストを使い、数時間の短いプロセスで発酵・製造されます。製造のタイパ・コスパを重視するわけです。しかし、急速発酵させると小麦のグルテン構造がそのままの形で胃や腸に届くため、身体への負担が大きくなるのです。
しかし、伝統的な野生酵母や乳酸菌による長時間の発酵を用いた「サワードウ(天然酵母パン)」は、発酵の過程で乳酸菌の働きにより、グルテンがアミノ酸レベルまで事前に分解(予備消化)されることが近年の研究で分かっています。
お腹の張りや痛みの原因となる難消化性の糖質(FODMAP)も、サワードウ発酵によって大幅に減少します。イタリアのマルコ・ゴベッティ教授らの臨床研究(参考文献1)でも、十分に発酵・分解されたサワードウパンは、腸にダメージを与えにくいことが実証されています。
みなさん、周りのパン屋さんを見渡してみてください。
昔ながらのフランスパンやドイツパン、ルヴァン(天然酵母)やブロートを、時間をかけてじっくり作ってくれるパン屋さんがどれくらいあるでしょうか。

つくばには、そんな「身体に優しく、職人が時間をかけてグルテンを適切に処理した本物のパン」を作ってくれるお店がゴロゴロあるのです。言い方が悪くてごめんなさい。本当にこだわりぬいたパンづくりをしてくださっているお店が、つくば市内にひしめいているのです!なんて、ありがたい!だからこそ、Vida Sanaはパンを目の敵にすることなく、健康的にその恩恵を享受させていただいております。
でも、つくばは車がないとあちこちのお店を回れない…
そんなみなさまに朗報です!
\第6回 つくばパンまつり開催!/
日時:2026年 5月30日(土)・31日(日)11:00〜16:00
会場:つくばセンター広場(つくば駅直上)
パンの街つくばを盛り上げる年に一度の大人気イベントが、この月末に開催されます。駅のすぐ目の前ですので、車がない方でも気軽に楽しめますよ。

皆さまもぜひ、つくばの素晴らしいパンに逢いに足を運んでみてくださいね♪
それでは、皆さまのそばに素晴らしいパンがありますように。
【参考・引用文献】
1)Raffaella Di Cagno, et al. (2004). “Sourdough Bread Made from Wheat and Nontoxic Flours and Started with Selected Lactobacilli Is Tolerated in Celiac Sprue Patients”, Applied and Environmental Microbiology. 70.2.pp.1088-1096.
2) Bakerista(パン用小麦粉専門メーカー)HP「古代小麦って何?スペルト、エンマー、カムットの起源とは」(https://bakerista.jp/archives/category/knowledge)
