皆さまこんにちは!
今年の関東の夏は猛暑日も少なく、過ごしやすい、気象庁がいうところの例年通りの夏でしたね。
しかし、関西・九州はある意味例年通りの猛暑日。
そんな熱い関西で、熱い鍼灸のイベントが開催されました!
伝統鍼灸学会2026@大阪府茨木市・立命館大学フューチャープラザ

2024年の伝統鍼灸学会では、このブログでも何度も紹介しているFelip Caudet先生が特別講演をしました。その時のブログはこちら。
今年の伝統鍼灸学会は特に熱い大会でした。
それもそのはず、実行委員長は長野仁先生。
長野仁先生の簡単な紹介をさせていただくと、
長野先生は森ノ宮医療大学の教授。専門は鍼灸古典の流儀書。ついた異名は古典ハンター。
各地の家庭・神社仏閣の倉庫に眠っている鍼灸に関する書物を収集、解析。小児鍼、腹診、ハラノムシに関しての書籍を出版していらっしゃいます。
古典の研究だけに留まらず、自身が得た武道の体験を通して、鍼灸の流儀書に書かれている内容を実践的に解析。臨床家の立場からしかわかりえない鍼灸の技に関して読み解いていく方。
様々な古典に精通するだけでなく、様々な鍼灸の流派にも顔がきき、弱刺激から強刺激までの鍼に関しても臨床で使いこなす先生。
そんな方が演者を集めてくる学会は例年に比べてマニア度が格段に高い!
よだれを垂らして待っていました!と言いたいくらいの講演のラインナップ。
幻と言われた貴重本の解析はもちろん、1m〜超える長鍼の実技、針先がメスのようになっている小刀鍼の実技、鍼灸師としては見たい演目が山のようにあったんです。
我々のアップデートに必要な学会でしたということをお伝えできればと思います。
今月はさらに、灸のイベントにも参加してきました!
弘法大師の灸をめぐる旅@徳島&香川
こちらは灸法臨床研究会さん主催のイベントで、四国地方で行われている宗教的側面の強い灸を体験しに行きました。

最初に訪れたのが砂灸。こちらは徳島市内の勝野家という一般宅で行われる行事なんですが、昔とある高僧が旅の途中、勝野家で一晩の接待を受けたお礼として砂灸の秘法が授けられたと伝えられているそうです。毎年、春分の日と秋分の日に行われる地域行事になっています。

砂灸の方法はいたってシンプル。30㎝×50㎝ほどの木箱に川砂を敷き詰め、そこに健康を願う人が足跡をつけます。

勝野家の方が、その足跡の所定の場所にお灸をおいて線香で火をつけます。身体にではなく、砂の上に残した足跡に灸をすえるという「まじない灸」です。古い形の仏教的な香りが漂いますね。

次に訪れたのはすり鉢灸@滝薬師。同じく徳島市内です。

色々な地方で行われるほうろく灸と似ていますが、こちらはすり鉢の外側と内側に呪文を書いて、そのすり鉢の上でもぐさを燃やすことで祈祷をおこなうというもの。こちらも春分と秋分の日に行われます。

ほうろく灸とは違い、すり鉢が分厚く、もぐさもすぐに燃え切るので全く熱くありません。

こうしたお灸の呪術的な使われ方は、古代から存在しており、灸は邪気や災いを払う力をもつという観念があったと言われています。

黄帝蝦蟇経という古代中国の書物にはお灸をする際の呪文や月の満ち欠けによって灸をしてはいけない場所というのが書かれています。

古くからの呪術的な灸の使い方と仏教的信仰が合体して、上記のような儀礼的な灸が行われるようになったのではないかと推察されます。

弘法大師空海(774~835)は仏典とともにお灸を広めたと言われており、各地に残るお灸の技には弘法の灸と言われるものが多々あります。

お灸が日本でこれだけ残っていたのも弘法大師のおかげかもしれません。
というわけで、弘法大師にお礼をすべく誕生の地、善通寺へ。

善通寺には弘法大師が手植えしたと言われる大木も!?

さて、ここからはおまけ。
金比羅宮です!!!

いやー、一度はお参りしてみたかったんですよね!

金比羅宮の参道はなが~い石階段で続いており、本宮までは785段。両側にお土産もの屋さんがずらり。

本宮まででヘロヘロでした。

しかし、この景色。

そして、わたしどもは鍼灸師!さらに奥の宮・厳魂神社まで行くしかありません。さらに583段を上ります!

しかし、この雰囲気が格別。本宮までの参道は人で混み合っており、また直線に進むだけの階段に辟易。ところが、奥宮までの参道はまさに霊場。

そして、見事到着!

奥宮には天狗と烏天狗が祀られていました。

これが金比羅さん名物の灸まんです。お灸がこんもりとしている形なのが分かりますね。四国では参拝者に長旅をねぎらってお灸をする接待の伝統があるのです。旅の疲れを癒すのに甘いおまんじゅうもどうぞ!

というわけで身も心も清められて、Vida Sanaはさらにアップデートされています!
乞うご期待!
皆さまの毎日が健やかでありますよう、お祈りをささげます。
本当のおまけ:京都・光明院の重森三玲の作庭と日本画家・丹羽優太が描いた屏風。

