皆さん、どんなフルーツがお好きですか?老若男女問わず、お好きなフルーツがありますよね?そのフルーツに、身体を温めるもの/冷やすものがあると知っていましたか?
例えば、バナナ!アスリートが試合中に食べて素早くエネルギーに変えることができる果物として有名です。そのせいで、なんとなく、身体を温めるのではないかというイメージはありませんか?
実は、バナナは東洋医学的な分類では、「寒」の属性を持っています。Vida Sanaのヘルスコーチングを受けてくださっている女性で、不調だとお腹の芯部に冷えを感じるという方に日常的にバナナを食べるのを止めていただいたところ、お腹の冷えが改善したという事例があります。
東洋医学では、食物に色々な属性を持たせて、その食べ物が体のどこに作用するか、分類しています。食材には、必ず味がありますが、それを「酸(すっぱい)・苦(にがい)・甘(あまい)・辛(からい)・鹹(しおからい)」の五味に分類します。さらに、五性として「熱・温・平・涼・寒」に分類しています。
例えば、8月のブログにも書いた「お米」は属性では「平」「甘」、作用しやすい部位は「脾」「胃」となっています。
「平」とは、その食物が寒熱に偏らないので、季節や体質を問わずに身体を養うという意味です。したがって、主食として常食するのに適しています。
「甘」は、消化吸収機能を向上させる働きがあります。ただし、食べ過ぎると体内に余分な水分をため込みやすくして、肥満や重怠さの原因となります。
「脾」と「胃」とは二つ合わせて消化器系の意味を持ち、お米は消化器系の働きを助けてくれることになります。
薬膳では身体の調子を整えるのに、「五性」のバランスをとることが重要だと考えます。身体を温める作用のある「熱・温」の食材は、内臓の機能を高めて血流を促進します。身体を冷やす「涼・寒」の食材は、熱を冷ます作用によって体内の炎症を鎮静化し、老廃物の排出を促す働きもあります。日常的には、どれかに偏った食事をできるだけ避けることが健康増進によいと考えられますが、その人の体質や体調によって何をどの程度食べるべきかを判断します。
このように、ほとんどの食物に対して東洋医学では属性を定義しています。膨大な数の食材すべてを紹介しようとすると一冊の本になってしまいますので、今回のブログではフルーツのみに焦点を絞って紹介しようと思います(他の食材を調べたい方は参考文献を参考にしてください)。
今回紹介する一覧表は、フルーツが大好きだけれども身体を冷やしたくないというVida Sanaのクライアントさんのために作ったものです。せっかくなので、皆さんにシェアできないかなと思い、今回ブログの記事として掲載いたします。
ただし、気を付けていただきたいのは、既に書いた通り、バランスのとれた食生活を目指すことが最も大事だということです。一つだけのフルーツを一日三食とるようなことはお薦めできません。
私たちの身体は刻刻と変化しています。そして、私たちが暮らしている日本は四季の移り変わりがとてもはっきりしています。私は、一年中が常春のような気温で雨傘を必要としない気候のペルー・リマで留学生活を送ってみて、四季の変化があることの素晴らしさを改めて見直しました。季節に応じた食材選びをして、体調を整える薬膳に、あなたもぜひ挑戦してください。
「温」=身体を温める /「大熱」=身体をすごく温める / 「冷」=身体を冷やす / 「寒」=身体をすごく冷やす
参考文献:『薬膳素材辞典: 健康に役立つ食薬の知識』主編 辰巳洋 / 源草社
『薬膳・漢方の食材便利帖』監修 幸井俊高/学研