新年あけましておめでとうございます(2024年)

 皆さま、新年あけましておめでとうございます。ごあいさつが遅くなり失礼しました。

 2024年元旦から、日本の幸先が思いやられるような災害やら事故やらが続きました。豊かで多様な自然環境に恵まれた災害大国で生きる心構えを問われているかのようです。

 そんなときには、神頼み?!ということで、鍼灸初詣に行って参りました!

……はて、鍼灸初詣とは?と思われる方も少なくないでしょう。

実は、鍼灸にまつわる神社仏閣はいくつかあるのですが、今回はその中でも江戸時代から現代にいたる日本鍼灸の型を作ったと言っても過言ではない、杉山和一(1610~1694)の墓所+像がある江の島神社にお参りしてきました!

杉山和一は江戸期五代将軍徳川綱吉の鍼医として、当時盲人の最高位であった関東総検校にまで上りつめた人物です。彼の功績は盲人でも鍼が打てるように管を使った術を広めたこと。(管鍼を発明したと言われることも多いがこれは史実とは異なるそうです。)現代日本鍼灸では当たり前になった鍼管法の礎を築き、杉山流という鍼の一派を率いたのが杉山和一です。

実は、もともとの中国鍼は管を使わないで直接刺入するのですが、今では世界中の伝統中医学系鍼灸師の間でも鍼管と一体化したディスポーザブル鍼を使用することが一般化しています。刺入の際に痛みを感じさせにくい細い鍼を使う日本鍼灸のテクニックが世界に普及したんですね。

もうひとつ杉山和一の大きな功績として挙げられるのが、視覚障碍者教育施設として「杉山流鍼治導引稽古所」を開設したこと。江戸時代に盲人の職業といえば、胡弓・三味線・琴などの楽器演奏をする音楽関係か医業関係。盲人の生業として鍼師・あんま師を定着させた貢献者といわれます。いわゆる障碍者教育の歴史を調べてみると、フランスのバランタイン・アイユが1784年に開設した盲学校が現在の視覚障害者教育機関につながる最古のものとされていますが、その約百年前に視覚障碍をもつ当事者である和一が職業訓練所を運営していたことは偉業といえるでしょう。

ちなみに、江の島弁財天は芸能の神とされており、歌舞伎役者をはじめとして芸能関係者も定期的にお参りするようです。江の島神社には杉山和一の他に、盲人組織代表とでもいうべき検校になった山田流琴の始祖として有名な山田検校(1757₋1817)の像も奉納されていました。

コロナ禍では閑散としていた江の島も国内外からの観光客で賑わっており、鍼灸関係者ではない方も、健康祈願として杉山和一の像を触りに来ていました。さらに、辰年である本年!江の島神社がお祀りしているのは龍神さま!本年、おすすめのパワースポットです。

実は、世界にむけて杉山和一の功績と管鍼法について発信しよう!という日英対訳バイリンガル本が出版されています。東洋鍼灸専門学校の校長先生であり、杉山流研究者でもある大浦慈観先生が監修。美容鍼灸を世に広めた北川毅先生が執筆しています。ご興味のある方はこちらもご一読ください。あっ、これはVidaSanaの勝手な宣伝でコミッションは一切いただいておりませんよ(笑)。

『日本鍼灸の極意 管鍼法』

高齢になった杉山検校が毎月江の島までお参りするのは不便ということで、和一が綱吉将軍から拝領した本所一つ目が分祀された現在の江島杉山神社(墨田区)です。こちらの神社には、鍼灸あんま博物館と鍼灸院を併設しており、本堂では鍼灸講座が定期的に開催されております。最近VidaSanaが関わっているフェリップ・カウデット先生も深谷灸法講師となっていますが、その深谷灸にかかわる講座が目白押し。お灸はセルフケアとして多くの人々に学んでいただけるものですので、有資格者でなくとも受講できるクラスもあります。畳敷きの本堂で受ける講座は、まるで江戸の雰囲気!?

ちなみに、学生時代のChikakoも鍼灸あんまマッサージ指圧師国家資格試験に備えて、墨田区の江島杉山神社で合格祈願えんぴつを入手させていただき、ご利益を拝受いたしました(笑)。神頼み!重要ですね。

江の島の参道はかなり観光地化していますが、それでも島全体が聖域であったことを感じさせてくれる場所です。パワースポットと呼ばれる場所には、独特の空気感があります。人知の及ばぬところに想いを馳せる時間をもつことは、心をのびやかにしてくれます!

実は、VidaSanaにとって、皆様のお身体を拝見させていただくことが、そのような人知の及ばぬところに想いを馳せる時間となっております。わたしたちの心をのびやかにしてくれるおひとりおひとりのクライアントのみなさま!本当にありがとうございます!昨年同様、2024年もVida Sanaにとって有意義な一年になるよう、鍼灸普及活動の旅もまだまだ続けます。今年もどうぞVida Sanaをよろしくお願いいたします。

本年も皆さまが健やかに過ごせますよう心からお祈りしております。

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