VidaSanaはリトリートを目指しています
リトリートとは、文字通りには「再治療」「回復」などを意味します。リトリート施設は「治療の場」であり、自分を見つめなおし、自分の生活/人生を振り返ることによって、本来の自分に還ることができるような場所と機会が提供される場なのです。
満員電車で通勤して、都会のコンクリートジャングルで働いて、家に帰ったら疲れ果てて寝るだけの生活。やりがいのある仕事をしていても、ときおり、ふと、何のために私はこんな生活をしているんだろう、という想いが湧き上がることがある。そんな声を聴くことが少なくありません。特に、働き盛りの世代の声です。
そんな方々にリトリートという提案がされているのです。
人工物に囲まれた日常から離れた場に移動する。地平線を見渡すことができるような広い空間に身を置く。または、うっそうとした森の中に身を置く。どちらにしても、空や太陽や海や木々といった自然と対話することで、生物としての身体のリズムに耳を傾けてみる。そうすると、身体の奥から問いがうまれてくる。
自分が本当に幸せを感じられることは何だろう。自分が人生において達成したいことは何だろう。自分が大事にするべきことは何だろう。そんな根本的な課題を、自分に問い直す時間をもつ。そのことによって、明日から自分がすべきことが見えてくる。未来に向けて一歩を踏み出すことができるようになる。
リトリートとは、そのような広義の意味での「人生の治療の場」。
ところが、近年の日本では、「リトリート=健康を意識したサービスが受けられるリッチな宿」というイメージで紹介されることが多々あります。大自然の中に温泉があって、健康的なこだわりの食事を楽しむことのできる高級湯治場リゾートのイメージです。その場で提供されるサービスは共通しているかもしれませんが、なんだか腑に落ちない、と思うのは私だけでしょうか。
実はわたしたちがVidaSanaを事業体として始める前に意識していた鍼灸院は「人生の治療の場」としてのリトリート施設です。現在は出張専門でまだ施設を構えてもいません。しかし、わたしたちが目指すべきものは何か、という意識は変わらず持ち続けています。
今回はそんなリトリート計画の一環として、10月初頭に「NPO法人 地球のしごと大学」さん主催の「特別フィールドワーク講座 #2 「地域創生の統合医療 = 医学モデル+社会モデル」 〜リトリートはウエルネスのみならず、生活担保としての場〜」に参加するために富士山の麓、朝霧高原まで行ってきました!
(注:このあと美しい富士山や森の写真が続きますが、決して遊びに行ったわけではありませんよ!?)
なぜ富士山麓なの?と思われたでしょうか。実は、そこに日本の先駆的かつ本格的リトリート施設である日月倶楽部・富士山静養園があるからなのです。運営なさっているのは、米国における統合医療実践者として著名なアンドルー・ワイル博士のもとで研修を受け、医師として地域医療にも取り組んでいらっしゃる朝霧高原診療所院長・山本竜隆先生。
この3つの施設は車で10分ほどの場所に隣接しているのですが、元々はバブルの頃に建設されて買い手がつかなくなった別荘をリフォームした建物群や、古民家を移築して改装した建物や、山本先生のアイデアから生まれたユニークな建物までが、広大な敷地に点在しています。敷地内の先生のお宅には水道も電気もひかれていません。
今回のプログラムは2日間に渡って行われました。1日目は山本先生の統合医療についての講演と焚火を囲んでの懇談会。2日目は富士山からの日の出を拝み、広大な敷地に広がる施設の紹介兼お散歩。
エネルギッシュな山本先生のお話の内容については、下記に紹介するご著書をぜひ手に取っていただければ幸いです。読んだだけでは伝わらないかもしれないリトリートの素晴らしさは、実際にその土地に足を付けて清涼な空気を胸いっぱいに吸い込んだら、身に染みてくるはずです。
そんな経験をしたわたしたちは、リトリートに対する情熱をまた一層メラメラと湧き上がらせたところです。
次回ブログでは、わたしたちが体験した内容をご紹介していきたい思います。乞うご期待。
①『統合医療運営マニュアル』(山本竜隆著、現代企画)
②『癒す心、治る力』(アンドルー・ワイル著、角川文庫ソフィア)
③『自然欠乏症候群―体と心のその「つらさ」、自然不足が原因です』(山本竜隆著、ワニブックスPLUS新書)
日月倶楽部
URL:https://hitsuki-club.com/
富士山静養園
URL:https://www.mt.fuji-seiyoen.com/