皆さま、こんにちは!
今年は12月22日が冬至でした。かぼちゃを食べて、ゆず湯に入りましたか(笑)?薬膳の分類としては、かぼちゃは気を補ってくれる食材。現代栄養学的にもベータカロチンやビタミン類をたっぷりと含んだ優れもの。万病のもとである風邪をひかないように、身体の調子を整えてくれるかぼちゃは冬至に限らず食べたい野菜トップクラス!

冬至は、一年の中で一番太陽が地上に出ている時間が短い日。陰陽の世界では、陰が極まる陰中の陰から陽に転じるポイントが冬至です。ここから、陽気が昇ってくるので、ついでに運気も高めましょう!ということで、名前の最期に「ん」がつく食材を食べるとよい、と江戸時代の人々は言っていたんだそうですよ。今が旬の「ぎんなん」とか「れんこん」とか。ちなみに、かぼちゃは江戸期には「なんきん」と呼ばれることが多かったので、この分類に当てはまりますね。

というわけで、2025年、もはや歳末。21世紀の四半世紀が過ぎ去ろうとしています。VidaSanaとしても、来年以降の目指すところを確認する節目かと思っていました。
そんな折、ブラジルから来日中だった旧来の知人Florianoさんから連絡がありました。ぜひVidaSanaの施術を受けたい!とのご要望があり、東京某レンタルサロンで日本スタイル鍼灸体験していただきました。ただし、鍼灸施術は初めてではなかったんです。実は、Florianoさんは、ジャーナリズム研究者。ブラジルや中国では既に鍼灸施術を色々と体験していらっしゃるだけでなく、なんとブラジルにおける中国伝統医療の普及について論文を書いているのです。(論文はこちらからご覧いただけます)
タイトルはずばり「ブラジルにおける中国伝統医療文化の普及に関する研究」。ポルトガル語論文ですが、昨今のAIに頼れば、おおよその内容は皆さんにも理解していただけるかと思います。私が興味をひかれたポイントを以下、少しだけ紹介させていただきます。
皆さん、ブラジルは今、中国以外で世界のどの国よりも多くの鍼灸師を排出している国だと知っていましたか?なんと、その数、年間おおよそ3万人!ちなみに、日本では約3千人が鍼灸師資格を取得しているのが現状なので、ブラジルはその10倍!
名門サンパウロ大学やフルミネンセ連邦大学をはじめとした6大学に鍼灸師養成コースがあり、その他、鍼灸を学ぶことのできるコースを提供している大学は数知れず…中でも、今、注目されているのが、中国政府が世界中に展開している孔子学院に中医学を教える講師陣をそろえたゴイアス連邦大学(2019年~)。
ブラジルでは、2021年現在、登録されている鍼灸師資格保有者は約15万人。その内、8割が医師資格保有者でブラジル国籍者。(ちなみに、日本の鍼灸師資格保有者で鍼灸師として就業している数は、2024年現在14万人弱。)500近い病院および2,500件を超えるクリニックで鍼灸治療室を備えているのだそうです。その背景には、日本でいうところの国民健康保険にあたるSUSという保険システムを鍼灸や耳介鍼などにも適用する政令が2006年以降、拡大していること。
Florianoさんが個人的に強調していたのは、鍼灸がグローバル化することによって世界各地の伝統医療が良い意味で見直されること。いわゆる標準医療に対する代替補完医療として位置付けられていたひと昔前とは違う世界保健システムの地殻変動の可能性も見据えられています。
ブラジルでは、伝統医療といえば、呪いによって引き起こされる病の治療をシャーマンなどが行う怪しげな儀式で、アフリカ系/先住民系の文化的/経済的レベルが低い人々が行うものとして懐疑的に受け止められてきました。しかし、伝統医療には近代科学的根拠とは異なる文化的・歴史的根拠があるという文化相対主義的な受け止め方が徐々に普及してきており、その先鋒となって世界に伝統医療の素晴らしさを知らしめる役割を果たしているのが、東アジアに起源をもつ伝統医療なのです。
その東アジア起源の伝統医療は、今や世界に羽ばたいていることをブラジルの事例が示してくれています。既に、本ブログ(2025年3月ブログ)でも紹介したように、南米の素晴らしき日本鍼灸伝道師たちは、日本伝統鍼灸を学んでそれを南米で実践するに際し、自分たちの足元である南米大陸に根付いている伝統医療を見つめなおしているのです。ただ、外から優れたものをされる技術を移植すればよいという短絡的な思考は、本当の意味で人々の健康を支えるものとしては力不足であることを認識する必要があるのです。
日本という島国に根差してきた伝統医療も、長い歴史の中で、世界各地の様々な医学的知識や技術を吸収して発展してきました。人間が人間らしく生きることを支えるのが医療であるはず。その背景には、私たちがどのように生きることを求めるのか、という価値観が作用しています。私たちは自らの価値観に基づいて、様々な知識や技術を取捨選択しているのです。
日本伝統医療を選択することが、世界のあらゆる伝統医療へのリスペクトにつながることを祈念して、2025年ブログの締めくくりにしたいと思います。皆さまが、すこやかな新年を迎えられますように!